離婚の成立と手続き

夫婦の話し合いだけで離婚が決まった場合、手続きはとても簡単ですというお話をしましたね。

言ってしまえば、離婚届を役所に提出するだけで、離婚は成立です、と。

「なぁんだ、そんなにあっさりと済んでしまうのか。意外とあっけないものなんだな。」と思われた方、ちょっと待ってください。

離婚のとき(特に協議離婚の場合)は、離婚そのものの手続きよりも、その後の手続きの方がずっと大変なのです。

特に女性の側は、やるべきことがたくさんありますので、心して処理にかかってくださいね。

離婚となると、ほぼ全てのカップルは同居を解消します。

となれば、少なくともどちらか一方が、これまで済んでいた家を出ることになります。

(実際には「一人で住むには大きすぎる」とか「家賃が高額すぎる」、あるいは「これまでの思い出を捨てて心機一転やり直したい」という理由から、二人共引っ越しをするケースも多いです。)

このように家を変わるとなれば、住民登録に関する変更届けを出さなくてはなりません。

新しく引っ越した先の役所に、移転届けを提出します。

また、印鑑登録をしている場合は、これに関する届け出もおこなう必要があります。

さらに、住所の移転先へ郵便物を届けてもらうため、郵便局へ届け出をしておきます。

この届け出によって、その後一年間無料で旧住所宛ての郵便物を新住所まで届けてもらうことができます。

国民年金や健康保険の届け出も忘れてはいけません。

年金は強制加入ですし、もし急に病気になったとき、使える健康保険証がないとなれば大変ですから。

しかしながら、話し合いだけで離婚が決まるケースは多くありません。

親権の問題でもめたり、離婚前に浮気の事実があったりした場合には、慰謝料の問題が出てきます。

また、離婚にあたって財産を分割することになりますので、その算定もトラブルが起こりやすいポイントです。

当事者だけでは、感情のもつれから解決までが長引くことも多いので、
弁護士などの専門家に依頼した方が、早期の解決が期待できる可能性が高いです。

最近では、離婚の相談が無料でできる所も増えているようですので、
気軽に相談してみると良いかもしれません。

参考:福岡の弁護士さん

同居義務や扶養義務の解消

前回、離婚によって具体的に変わるものは姓であると述べましたが、もう一つ重要な変化があります。

それは、夫婦としての互いに対する義務がなくなるということです。

夫婦としての義務を、具体的に見てみましょう。

夫婦にはまず、同居の義務があります。

これは「共に生活するのが夫婦である」という、昔からの考えに基づくものだと思われます。

もちろん、仕事で単身赴任しなければならなかったり、どちらかの両親の介護のため一時的に別居状態になるということは、多くの家庭で起こりうることでしょう。

これらの事柄に対して「夫婦としての義務に反している!」なんていう人は、どこにもいませんね。

しかし原則としては、夫婦は同居し、共に生活を築くことを求められています。

さて、もう一つの夫婦の義務は、助け合うこと。

これを協力扶助といい、この中には扶養の意味も含まれています。

夫婦というものは一つの共同体です。

喜びも幸せも苦労も悲しみも、全て共に分かち合うべきものです。

ですから、どちらか一方がお金がなくて生活に困り、食べる物も満足に買えない・・・という状態にある時に、その配偶者は外車を買い、旅行に出かけ、高級レストランで美味しい物を食べている・・・なんていうことは、許されません。

互いに助け合うことが、義務として課されているのです。

そして、これらの義務、つまり「同居」「協力扶助」の必要から、人は離婚すると解放されるというわけです。

離婚後に同居しないことはごく自然なことに思われますが、協力扶助、特に扶養の義務がなくなるということは、とても大きな意味をもっています。

相手の合意が得られれば、離婚の手続き自体はとても簡単

仮に、あなたに夫がいたとします。

長年、良き妻として夫と暮らそうと努力したきたけれど、どうしても上手くいかない。

暮らしの中の諸々が、すれ違いばかり。

一緒に生きる意味が見いだせない。

幸い、二人の間には子どももできなかったことだし・・・よし、離婚しよう。

そう考えたとします。

さて、どうなるでしょう。

相手の合意が得られれば、離婚の手続き自体はとても簡単です。

話し合いで相手もすんなり賛成してくれたということですから、協議離婚として、離婚は成立します。

あとは離婚届を役所に提出するだけ。

この離婚届によって、具体的に何が変わるのか。

極端なことを言ってしまえば、男性は何も変わりません。

少なくとも端から見る限り、離婚したという事実は一見わからないものです。

変化があるのは戸籍の記載ですが、日常生活において、戸籍はそう頻繁に目にするものではありません。

一方、女性の側はどうでしょうか。

女性はたいていの場合、婚姻によって姓を変更しています。

離婚をすると、この姓が元に戻ることになります。

もちろん戸籍の記載も変更されます(これを復籍といいます)。

ですから、女性の方が離婚した際は外部に知れやすいと言えるでしょう。

ただし、場合によっては婚姻中の姓を、離婚後もそのまま名乗ることができます。

「熟年離婚」「定年離婚」

「熟年離婚」「定年離婚」。

最近、テレビやニュース、雑誌などでも、よく話題に上がっていますので、耳にしたことがある人も多いと思います。

この熟年離婚ですが、ここ数年の間ずっと増加し続けています。

このことは、日本が高齢化社会となったことに、深く関係していると考えられます。

日本社会の中で、高齢者の人口割合が増えたことで、結果的に大きな割合を高齢者の離婚が占めている。

これも一つの事実ですが、それだけではありません。

高齢化社会と言われるようになって以来、定年退職を迎える60代になってからも、その後の第二の人生について考える人が増えているのです。

従来は「定年退職後は、余生をつつがなく過ごそう」「残り少ない人生だから、心穏やかに暮らしたい」というような考え方が主流でした。

しかし現在は、日本人の平均寿命が(女性は)80歳以上であると発表されています。

こうなってくると、40歳過ぎたといっても、人生まだ半ば。

「やり直すなら早い方がいい」「一度しかない人生だから、悔いの残らない生き方をしたい」と、40代後半から60代の人であっても、離婚を決意する人が増えているのです。

このことを、一概に良いとか悪いとか言うことはできません。

しかし、離婚は本人達の人生だけでなく、その周囲の人に与える影響も計り知れないものがあります。

これまで続けてきた婚姻生活が、長ければ尚更です。

決断にあたっては、極めて慎重に、冷静に、考える必要があると思います。

最も多い婚姻期間

実際に起こっている離婚のケースを、婚姻期間別に見てみますと、最も多いのは一年以上五年未満です。

ここでいう婚姻期間とは、具体的には同居期間のことを指しています。

ですから、仮に婚姻届が提出されてから二年しか経っていなかったとしても、婚姻前に三年間一緒に暮らしていたという場合は、婚姻期間五年とみなします。

この婚姻期間が、最も短い人だと一年未満で離婚してしまうというわけです。

いわゆるスピード離婚ですよね。

お互いに「相手が大好き!」と思って、結婚したところまでは良かったけれど・・・。

現実に一緒に生活してみると、お金の使い方や考え方、生活習慣の違いがどんどん明らかになってきて、「とても一生一緒になんて暮らしていけないわ」となる。

「どうせ別れるのなら、子どももいなくてお互いにまだ若いうちがいい」、「今ならまだ人生やり直しがきくわ」と、離婚に至る。

これ、本当の話です。

理想と現実は大きく違っていた、ということなのでしょう。

しかし、これら一年以上五年未満でのスピード離婚というのは、当事者が言うように、ある意味、痛みの少ない離婚と言えるのかもしれません。

実はもっと衝撃的な事実があるのです。

それは、近年テレビやニュースなどでも大きく取り上げられている「熟年離婚」。

次回はこの「熟年離婚」について見ていくことにしましょう。